最近では、事実婚や芸能人の未婚の母の話題になり、「胎児認知」という言葉も取り上げることがあります。

認知という言葉は、よく耳にしますので意味はわかります。

そして「胎児認知」とは、出産前の胎児の時に、出生以前に認知することができる制度を言います。 

 

胎児認知とは、

認知とは、婚姻関係ではない状態で、子供が生まれた場合、その親が「自分の子供である」と認めることを言います。認知を法律上のものにするには、認知届けを提出する必要があります。そして正式に親子関係が生じます。

そして胎児認知は、子供がまだお腹の中にいる胎児の段階で、この胎児が自分の子であるとして認知届けを提出することができます。

病気などで父親が出産前になくなってしまう可能性があるなど、意識のあるうちに胎児認知をしておき親子関係を明らかにするために定められました。

民法第783条第1項

父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。

 

つまり、母は妊娠位より母子関係を証明できますが、証明できない父親に、胎児の段階から父子関係発生させることになります。

実は、この法律は古く、明治法からすでに定められていました。

 

 

 

どういう時に、胎児認知するか

主に届け出る理由として

・父親が病で、出産までに亡くなる可能性ある場合

・未婚のカップルで、出産後に入籍の予定が明らかでない場合に、先に子供の父親に胎児認知をさせておくため。

・未婚のカップルの母親が外国人で、日本人の父親に胎児認知をしておき、子供が生まれた時すぐに日本国籍を取れるようにするため。

 

などの理由が、多く挙げられます。

 

最近では、はあちゅうさんが、胎児認知をしたということで、胎児認知ということが話題になりました。

 

 

胎児認知をすることのメリット、デメリットは?

メリット

  • 戸籍に、父親の名前が記載される(認知がないと父親の名前は空欄の状態)
  • 出産前に別れてしまっても、父親に養育費を請求することができる(扶養義務)
  • 父親が死亡した時、また、出産前に死亡しても、子供に相続権が発生する
  • 未婚の母親が外国人、父親が日本人の場合、出生後すぐに、子供は日本国籍を取得できる。
  • 父親が胎児認知し、のちに父母が婚姻すれば、子供は嫡出子とすることができる。

 

デメリット

  • 実の父親でない男性が、胎児認知をしてしまう場合がある。
  • 一度認知を提出すると取消はできない。
  • 出生後、父親でないことがわかり、取り消しをしたい時は、「認知無効の訴え」を提起し、裁判を起こさなければならない。その際には、DNA鑑定など裁判費用や時間を要します。

取り消しができなかった場合のデメリットが大きく関与します。もし、実の父親でなかった場合は、他人の子に、養育費や相続権が発生することになり、本来の相続権を取得する家族に対して影響があります。

また、胎児の段階で父親の戸籍には載らず(母親には記載される)、出生時には記載される。

 

胎児認知は、いつからできるの?

民法において、いつからという時期は規定されていません。民法783条1項は、「胎内に在る子」としているので、妊娠直後の胎児の時期から出産前まで届け出ることができると考えられます。実際に、胎児認知する際に、実際に妊娠しているか母子手帳などの証明するものの提示も特に必要ありません。必要なのは、母親の承諾のみです。

 

胎児認知の流れ

必要書類を用意

届け人 父親本人が、

母親の本籍の市町村役場に必要書類を提出

受理される 母親の戸籍のみ表示される

 

必要書類

・胎児認知届書(母親の署名・捺印が必要)市区町村役場の戸籍課 ネットでダウンロード

・父親の戸籍謄本

・父親の印鑑

・届け人の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

 

 

戸籍の記載はどうなってる?

胎児認知届が受理されると

胎児認知した段階では、父親の戸籍には記載されません。

母親の戸籍の附表のみ記載されます。

そして子が出生され、出生届がなされると、父親の戸籍に記載されることになります。

もし胎児が流産などで出生しなかった時は、母親の戸籍のみ附表が削除されます。

 

出生届が受理されると

まず出生届を提出する際に、父親の名前を記載します(胎児認知済であることを記載する)

 

子供の戸籍 ⇨ 父親欄に認知をした父親の名前が記載される。

その他、認知日、認知者の名前、戸籍、送付した日、受理者が記載される。

父親の戸籍 ⇨ 認知した子の名前、認知日が記載される。

 

 

もし父親が、胎児認知を拒否したら?

男性側は、自分の子供ができた上で、「親として責任」を感じていないと、認知を拒否することがあります。未婚であるため、「自分の子がわからない「自分の子供だと思うが、認知まではしたくない。」などが理由に挙げられます。

もし、父親が認知をしなかった場合、母親は、認知調停を申し立てて、調停委員会を交えて認知について協議できます。

それでも、父親の認知が得られない場合には、母親は「認知の訴え」を提起し、裁判で強制的に認知させる方法があります。

 

 

まとめ

胎児認知とは、胎児の段階で、父親がこの胎児が自分の子であるとして、父親が認知届けを提出し、胎児認知できる制度です。

胎児認知するための必要書類は、母親の承諾のある胎児認知届書、父親の戸籍謄本、父親の印鑑、届け人(父親)の確認書類。

父親が事前に認知できるのは、事実婚や未婚の状態、本来の制度の目的である父親に重い病があるときなどには、子の権利を守るために重要ですね。

昔からある制度にもかかわらず、これまであまり耳にすることがなかった制度ですが、子の権利のためにも、もっと話題に取り上げられ知っておいて良いかもしれません。

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