マイケルジャクソンや、マドンナ、アンジーも!
海外セレブは、レストランや普段の食事にも時間とお金を費やします。自宅での食事にもプライベートシェフを雇いっているセレブは多い。
シェフたちは、世界の最も有名なセレブの自宅で働くことはもちろんのこと、時には一緒に生活し、豪華なヴィラ、プライベートジェット、メガヨットへの旅行にも同行することも少なくありません。
セレブの好みを知り尽くしたうえ、近い距離にいる存在とも言えそう。
一体セレブはどんなものを食べ、どんな生活をしているの?
レアで豪華な世界の食材を買い物し、セレブのゴージャスライフに同行するシェフたち。
そんなプライベートシェフに注目!セレブの食事情を覗いてみました。
クランシー・アトキンソンClancy Atkinson
プライベートシェフのクランシー・アトキンソンは、Aリスト(※注1)の有名人や、億万長者、ファッションデザイナーのプライベートシェフです。
プライベートシェフの仕事は、クライアントの豪華なヴィラに滞在し、プライベートジェットやメガヨットの旅行が含まれますが、実際には、24時間勤務で働き、通常はキッチンで15時間以上費やしています。
そして、セレブ達の、朝食、ランチ、ディナー、スナックのリクエストを受けるため、早朝から準備をし、遅い時間まで対応します。
彼の唯一のブレイクタイムは、買い出しの時、それでも、猛ダッシュに済ませるそう。
クランシーは、有名人の食卓について、
「Aリストたちは、贅沢な食材よりも健康的な食事に重点を置いており、オーガニック、季節、健康が、絶対に不可欠。トリュフやキャビアなどの高級食材に重点を置くことはそれほど重要ではなくなり、アルカリ水、生の有機蜂蜜、抹茶昆布茶などを好みます。そして嫌いな食べ物は、肉、加工食品、パン、白糖です。」
とヴォーグのインタビューで語っています。 参考vogue
Aリストとは、
トップ映画スターや、トップシンガーなど、キャリアの一番上にいる人たちのことを指します。
ちなみに、その他にも、
Bリスト=人気のない有名人、まだ10代のアイドル
Cリスト=有名ではない人
Dリスト以下は、ほとんど同じ扱いで、街にいても気づかれない有名人、テレビのパネラー、地元のテレビに出演する人など。
このリストは、エンターテイメントジャーナリストのジェームズ・ウルマー(James Ulmer)が開発した「ウルマースケール」の一部で、多くのメディアで使われています。
ケイト・マカロン Kate McAloon
10年以上、有名セレブのプライベートシェフを務めたケイト。
彼女の最初のクライアントは俳優ニック・オファーマンと女優のメーガンムラーリー夫婦。
そして、2007年には、当時、夫婦だったグウィネス・パルトロウとクリス・マーティンのために働きました。
ケイトが言うには、当時のグウィネスは、とても食事に厳しく、砂糖、甘いもの、乳製品は一切使用せず、野菜を食していました。しかし、ケイトが栄養管理し、その他の食材をプラスして提供したそう。すると、グウィネス夫婦は「食事が良くなった」と受け入れるようになったそうです。(ちなみにグウィネスは、2011年から自身の料理本でも肉野菜を取り入れたレシピ本を出版しています。)
グウィネスがオーナーを務める会社「goop」のウェブサイトでも、ケイトはレシピを公開し、グウィネスとその後も繋がりがあるようです。
goopケイトのブラウニー
そして、オーランドブルームとミランダカー夫婦の時にも、一定期間働いていました。ミランダは、化学物質を含む食品を摂取しないこと。そして、世界のトップモデルであるミランダは、厳格なダイエット「80/20ルール」を実行。
ミランダの「80/20の規則」とは、80%は、健康的な好きな物を食べ、残りの20%は治療のためのものを摂取していたそうです。
割合が80%/20%だったとしても、おそらく食べる量もミランダサイズなんでしょうね。
その他にも、スティーブン・スピルバーグやドウェイン・ジョンソンなども担当したそうです。
デビー・ソロモン Debbie Solomon
歌手リアーナのプライベートシェフを務めたデビー。
彼女が言うには、リアーナは「今それが食べたい人」だそうです。
パルバドス出身のリアーナは、父親がパルバドス人、母がガイアナ出身のため、リアーナの母が「これが私たちの作り方」と話し、家族が最も愛している「バルバジアン料理とガイアナ料理」の料理を学ぶ必要があったそうです。
西インド諸島の東にあり、旧イギリスの文化を残しており、90%がアフリカ系の住民が占めています。食事は、オートミールや、オクラから作るシチュー「カウカウ」、トビウオのフライ、ライムスフレ、アセロラジュースなどがポピュラー。また独立記念日には、コーンフラワーと具材をバナナの皮で巻いて焼く「コンキ」などがあります。
世界遺産のギアナ高地がある南米の北東部の国「ガイアナ」の料理。
ライ麦パン、キャッサバ、ヤムいも、魚、バナナを粉にして作ったおだんごのフーフーや、薄焼きパンの中に、肉や豆のカレーをサンドにした「ロティ」などがあります。
西邨(にしむら)マユミ シェフ
アメリカのトップ歌手マドンナのプライベートシェフを10年間も勤めていた西邨マユミさん。その他にも、ブラッド・ピット、ミランダ・カー、スティング、ガイ・リッチー、ゴア元副大統領など海外セレブの食事を担当してきました。
その西邨さんは、1982年に、玄米や野菜を基本とする食事法「マクロビオティック」を学ぶためにアメリカに渡米し、マクロビのあり方を実践してきました。
西邨さんがどうやって有名スターのシェフになったきっかけは、2001年、友人からマドンナがプライベートシェフを探していると聞き、履歴書を送ったそうです。
1週間のテストがあり、その後はツアーに同行するなど信頼関係を築き、マドンナのロンドンの自宅で生活するように。
マドンナのメニューは、
・玄米のアボカド巻きやキヌアのサラダ
・塩と梅干しで味つけした玄米のおかゆ
・きんぴらゴボウのサラダ仕立て
・レンズ豆のスープ
・豆腐のタルタルソースを添えたひよこ豆のハンバーグ
マドンナの元を辞めるときには、マドンナから、私の名前を利用しなさいと言われるまで、信頼関係ができ今でも交流があるそうです。
サム・カス Sam Kass(Samuel David Kass )
シカゴに店を構えていたサムが、2009年、オバマ元大統領の栄養政策担当シニアポリシーアドバイザーに。そして6年間ホワイトハウスのシェフを勤め、キッチンガーデンの建設から独自のハニーブラウンエールの醸造など、ホワイトハウスに消えない功績を残しました。
2012年の選挙中、オバマ氏が、2回目討論に向かう際、エアフォースワンのキッチンで、サムが作った「チキンとペンネのパスタ」をオバマ氏が食べたあと勝利に近いづたことで、それからはホワイトハウスでは、サムのパスタを「POTUSのラッキーパスタ(Potus’s lucky pasta)」と呼ぶようになったそうです。
名前のPOTUSとは、President of the United States(アメリカ合衆国大統領)の略。
2012年の大統領選挙中に、オバマ氏と一緒にエアフォースワンに乗り同行したシェフのサム。
オバマ氏はミット・ロムニーに対する最初の討論でうまくいかなかったため、2回目のロムニーとの討論は、オバマ氏も周囲も極度のプレッシャー状態にいたそうです。そんな緊迫した中で、大統領の昼食に何を出したら良いか、サムは考え、鶏の胸肉、ミニペンネ、生のほうれん草とパルメザンチーズをいくつかつかんで、飛行機に乗せました。
忙しくオバマ氏が座る書類の山の中にパスタを差し出すと、彼は「それがまさに私が欲しかったものだ」と口にしたそうです。
その後に行った討論で、見事なスピーチを終えたオバマ氏。
祝福されるオバマ氏は、その理由を「それはパスタだ!」と答えたそうです。そして、幸運もたらしたそのパスタを「ROTUSのラッキーパスタ『;ROTUS’s Lucky Pasta」とホワイトハウスで呼ばれいているそうです。
もしかすると、料理は、政治や歴史をも変えるのかもしれませんね。
その「POTUSのラッキーパスタ」のレシピは、彼の著書「Eat a Little Better」に掲載されています。「Eat a Little Better」では、ラッキーパスタのレシピも、もちろんのこと、彼がホワイトハウスにいたときのオバマ家や、インサイダーの逸話も満載。
「POTUSのラッキーパスタ」
参考parade
<材料>
・ミニペンネまたは好きな形のパスタ
・塩 少々
・にんにく½
・フレッシュバジル
・松の実¼またはピーカンナッツ、またはトースト
・パルメザンチーズ粉
・エクストラバージンオリーブオイル½カップ
・鶏むね肉 ロースト2枚
・ベビーほうれん草
<作り方>
①パスタをアルデンテに茹でてます。茹でた後のお湯½カップは残しておきます。
②パスタを茹でている間に、ガーリックをフードプロセッサーに入れみじん切りにし、続いてバジル、ナッツ(松の実または好きなナッツ)、チーズ、オリーブオイル少量、塩を加え、粗めのピューレを作り、最後に残りのオリーブオイルを入れ、混ぜ、滑らかになるまで、ミキサーします。
③チキン胸肉をグリルします。特にこだわりはなく好きな形で調理し、一口サイズにカットします。
④ボールに、①茹でたパスタ、②のバジルソース、③のチキンと、ベビーほうれん草、茹でたお湯を加え、パルメザンチーズを混ぜ合わせて、出来上がりです。
キャサリン・シャファー Kathleen Schaffer
ハリウッドセレブ御用達ケータリング会社「Schaffer LA」のオーナーシェフであるキャサリン・シャファー。彼女の顧客には、デビット・ベッカムやジョージクルーニー、アンジェリーナ・ジョリー、リース・ウィザースプーンなどトップAを抱えています、
キャサリンが言うには、Aリスターは、炭水化物のない食事をしている。そのため低炭水化物やグルテンフリー、刺身やクルード(生のもの)のようなタンパク質も用意。もちろん、ゼロカーボダイエット(ゼロ糖質)のものやローフード、スーパーフードは必須。そしてほとんどの有名人のリクエストは、蒸し野菜、サラダ、玄米ご飯、焼き鳥、キヌア多いのだとか。
女優ケイト・ベッキンセールに、料理を差し出したときは、彼女はとても健康管理やダイエットをストイックに実行しており、皿の上のブルーベリーを数えて、ケイトはカロリーを測定していました。
女優リース・ウィザースプーン40歳の誕生日パーティーのリクエストは、南部風料理と地元の食べ物。 そのメニューには、Catfish po’boy(ナマズのサンドイッチ)、ハッシュパピー、黒目豆のハムス、グリーントマトの揚げ物など、食通なリースのユニークな料理だったそうです。
参考insider
マーガレット・ウェッツラー Margaret Wetzler
2008年友人に誘われ、プリンスのプライベートシェフとして雇われたとき、マーガレットは料理学校を卒業したばかり。実は、まだカプチーノも作ったこともなく、アパートにはナイフ1、鍋1、まな板1つしかなかったそう。
そして雇われた条件は、24/7(24時間・年中無休)。
プリンスの側近からは、プリンスには、直接に話しかけてはいけないということ。そして彼の生活は、夜行型で夜中まで料理を出す必要があるということ。
プリンスは、魚は食べるけど肉は食べない「ペセタリアンpescetarian」で、アジアン料理が好きだったため、マーガレットはすぐに、「Williams-Sonoma: Asian」の本を取り寄せることに。
最初の見習い期間中に、プリンスがアフターオスカーパーティを主催しました。そこにはスティービーワンダーやビッグスターがいて、女優のサレマ・ハエックが、マーガレット作った「ベトナムサマーロール」をまな板から直接とって頬張ってくれたことで、プライベートシェフとしてやっていく自信がついたそう。
プリンスは、エホバの証人を信仰しており、隔日でゲストがくるほどでした。ある時、突然夜の11時に、ゲストのためにイングリッリュバースデーと誕生ケーキを要求され、スコーンときゅうりのサンドイッチを外部委託したことや既製の食品を購入したこともあったそう。
料理を失敗したことや、初めて作る料理も何度かあったそうで、常にチョップド(コンテスト料理番組で最下位がドロップアウトするルール)にいるような気分だったそうです。
当時は、プリンスに直接話しかけてはいけないと言われていたマーガレットですが、2016年には、プリンスは常に彼女をゲストに紹介してくれるようになったそうです。参考foodandwine
マニ・ニール Mani Niall
オークランドの「Sweet Bar Bakery」のオーナーであるマニ・ニール。
彼は1982年スリラーがリリースされる前にマイケル・ジャクソンに会い、マイケルのツアーも同行していました。マイケルは食事のためにに何時間かけても出かけていくタイプ。
そして、「野菜の嫌いなビジタリアン」であり、マイケルを満足させる食べ物を見つけるのは容易ではなかったそう。彼は食べ物にこだわりがあり、ピザは好きだけどパスタは嫌い。甘党なのに砂糖やチョコレートは嫌い。
それでもマニは、マイケルへのホームラン料理をいくつか持っていました。
それはー、
・メキシコ料理のスパイシーなスモーク赤チリエンチラーダ
・クスクスとモロッコソースを添えた焼き豆腐シシカバブ。
・シイタケと日本のナスのピザ
・ピーカンで作ったメープルシロップのクッキー(これは、マイケルのボディーガードが愛情を込めて「オッキー(ookies)」と呼んでいたクッキー)
マイケルの誕生日になると、マニの店で、マイケルの好きだったメニューを期間限定で提供しているそうです。
Payscaleによると、プライベートシェフの給与は、
時給で 14〜46ドル
ボーナス 100〜988ドル
利益分配があれば、$ 0〜$ 250
給与 30,687ドル-98,497ドル
参考Payscale
給与に加えて、世界の食材やレアな高級食材を手にし調理できるのはシェフのとってもやりがいあるかもしれません。また、ゴージャスなキッチンや豪邸、プライベートジェット、エクスクルーシブな旅行。またセレブの社交界へも出入りたり、人が羨む貴重な体験ができることも。
そんな特殊な職業でもあるプライベートシェフ。
しかし、セレブに同行しなければならないその環境は、自由な時間を奪われ、不規則に、長い時間従事しなければならず、実際はかなりの過酷な仕事のようです。
その中の、年収30,687ドル-98,497ドル、(約340万円〜1,080万円)は、もしかしたら割が合わない?ようにも思いますが、紹介したシェフたちも、その後は独立して成功しているようです。セレブのプライベートシェフだった経験をキャリアとして利用し、雑誌や料理本を出版したり活躍し、セレブシェフとして成功する道もあるかもしれないですね。
合わせて読みたい