世界では、宗教によって、男の子が生まれた際に、「割礼」を行うことがあります。
アメリカでも、宗教に関わらずとも6割ほど赤ちゃんが、生まれた時に、この割礼を病院で行っているそうです。しかし、日本では、まだ行う病院が少ないようですが、都内には幾つかあるようです。
割礼(かつれい)とは、男子の性器の包皮の一部を切除する風習
我が家の場合はアメリカですが、割礼した時のことをご参考になればと思い、シェアしたいと思います。
割礼した方が良いの?それとも
90年代頃には、包皮の切除をした方が、
- 感染しにくい
- 炎症しにくい
- 男性器を清潔に保ちやすくなる
など言われていましたが、
90年代に入ると
- その成果は定かでない
- 本人の意思を尊重するべき
と反対する声もあり、理由としては、
- 自分で決定したい
- 体にメスは入れたくない
などです。
そんな批判も受け、アメリカでは割礼をする割合がわずかに減少。それでも現在でも6割ほどは、割礼を行っているようです。
アメリカ在住の、男の子のいる日本人の知り合いに尋ねたところ、出産した次の日に、病院で勧められ割礼をしたそうです。その病院では、入院中なら料金200ドルほどですが、もし、一旦退院してから手術をすれば、600ドルになるということで、入院中2日目に手術したそうです。
筆者も、出産した次の日に、看護士さんより、Circumcision(割礼)をしますか?と尋ねられました。
アメリカでは、出産の後の流れとして割礼は普通に行われているようです。
しかし、我が家の場合は、主人がユダヤ系の血筋でしたので、病院では行わず、
ブリス(Bris)という割礼の儀式をすることになっていました。
ブリスとは、ユダヤ教で、男子が生まれてから8日目に、ブリス(Bris)という割礼を行う風習です。
義母からは、「やってもやらなくてもどちらでも良いわよ」と、言われていましたが、主人の兄弟や親戚は、男の子は全員、このブリスをしています。
不安だったのは、ブリスは、自宅や会場など、病院ではない場所で、割礼の手術を行い、術後のケアも、自宅で自身でやらなければならない事でした。また本人の痛みの事も心配でした。
主人の時はどうだったのか本人に尋ねると、赤ん坊の時なので、もちろん記憶もなく、どのように執り行うものか、ブリスの知識も持っていませんでした。
痛みの覚えていないうちにやった方が良いのかな、それにユダヤの血を引いているのだし、ということで、行うことをほぼ決定していました。
ブリスの流れ
ブリスでは、モヘール(Mohel)という人が、割礼の手術と儀式を行います。
まずはじめは、モヘール選びです。
主人のや兄弟の時のモヘールは、もう40年以上前なので無理。主人の幼馴染でもある女医の友人に尋ねました。彼女も3人の息子がいるので、執り行ったモヘールへ問い合わせることに。
ブリスまでの手順
出産した日に、モヘールに出産日を連絡する。
モヘールが、ユダヤ教の暦でいう8日目を指定してくれます。
用意するものは、ガーセ、軟膏、テーブル、大きなクッション、ぶどう酒またはぶどうジュース、銀のワイングラス
手術当日、自宅にモへールが来て、儀式を行います。
モヘール指導のもと、家族がベビーを手術する部屋へ運びます。
クッションの上にベビーを乗せ、モヘールが、麻酔のようなものを局部に塗り、次にクリップで余分な皮を挟んだと思ったらすぐさま切除。
実に手際も良く手術自体は、数分で終わり、儀式を入れても、所要時間20分ほどでした。
手術の後、ユダヤの名前を読み上げました。
我が息子は、切除の際に一瞬泣きましたが、その後すぐに、ぶどう酒(又はぶどうジュース)を含ませたガーゼを口にくわえさせると、ピタッと泣きやみました。
ブリスに立ち会ったのは、親戚や義両親の知り合いなど20人ほど。
このブリスの後は、軽食やドリンクも用意して、ブリスパーティーになります。
ブリスは、日程が出産した日にならないとわからないので(出産から8日目と決められている)、我が家の場合は平日の昼間、ゲストの人は仕事の合間に来てくれました。
ブリスに招待されたらどうしたら良い?
知り合いにジューイッシュの方がいたら、出産後、ブリスを誘われることがあるかもしれません。前述したように、出産日にならないとブリスの日程が確定しないため、最初は出産予定日あたりを予定していますが、実際は、予定日より早かったりと、ずれることが多いです。
では、もし誘われたらどうしたらいいの?
一、時間厳守
モヘールが来る時間が決まっているので、遅刻しないのがベスト。儀式の時間も20分程度で終わってしまいます。ホストも儀式中は、対応不可能なことが多いので、招待された時間通りにいくのがベストです。
二、服装は?
特に決まりはなく自由です。普段の服装で大丈夫です。
主に自宅で行うことが多いですが、どこか会場を借りて行うこともあります。
三、何を持っていく?
ベビーシャワーの時と同じように、出産祝いのギフトを持っていくことが多いです。
お祝いの品は、おもちゃやベビー用品、ギフトカードだったり、キャッシュの人もいます。
すでに、出産祝いを渡して入れば、何も持って行かなくても大丈夫です。
四、お祝いのカード
アメリカは、何かとカードを持っていくのが主流です。バースデーや結婚式などお祝いにはカードを渡します。もし出産祝いを、もう済ませているならば、お祝いのカードだけでも持っていくといいですね。
術後のケアは?
我が家の場合は、医師の友人にアドバイスを受けて自分でケアしました。
当日 手術をした後は、軟膏のついたガーゼが二つ折りに局部を挟んでいるので、オムツを取り替える度に、そのガーゼを取り替えました。
次の日以降は、5センチ角のガーゼに、バセリンをたっぷり塗たものを、オムツ替えの度に、取り替えました。
※バセリンをかなり厚めに塗ると、幹部に張り付いたりするのを防げます。
※もし、幹部にガーゼが張り付いてしまっている時は、ガーゼにぬるま湯を含ませるてしばらくすると、はがれやすくなります。
2、3日目までは、患部の先が、青紫色に腫れていましたが、一週間ほどで、傷口も赤みがなくなり、ガーゼをするのをやめました。
上記は、我が家のケアでしたので、病院で割礼をした場合は、医師からの指導があると思います。
終えてみて
割礼をしてみた感想としては、心配していたほど、術後のケアは難しくなかったです。でもこればかりは季節や場所、体調も影響するかもしれません。我が家の場合は3月の寒い時期でした。
宗教などによって、行わなければならない人もいると思いますが、少しでも参考にしていただけたらと思います。